石川県の避難所10カ所へ、1,194枚の畳をお届けしました。
被災地域のメンバーが市役所や避難所に行くなど、現地の状況を確認しながら畳をお届けしています。

以下、時系列での活動報告です。
1月4日
現地のメンバーと状況を確認、今は畳を届けるタイミングではないと判断。
全国委員長会議を開催。石川県、富山県のメンバーから情報共有。避難者がたくさんで今は畳を敷ける状況ではない、水やガソリンなどの支援物資が行き届いていない、などの状況から、いますぐ動くのはかえって現地の迷惑になりかねないと判断。今後、畳が必要になった時のために、現地集積場所や製作担当を確認。今後の動きについて、被災地の状況にあわせて検討を続ける。
1月8日
金沢市の避難所を訪問、石川県庁と打ち合わせ。
直健畳工業所(金沢市)・関西畳工業(京都府)・前田(事務局)が石川県スポーツセンターに避難者が来られるとの情報あり、メンバーがスポーツセンター(金沢市)と石川県庁を訪問し、確認と打合せ。
1月9日
七尾市と防災協定を確認。
七尾市と連絡がとれる。防災協定を確認。植村畳(兵庫県)が七尾市のメンバーが避難している「城山体育館」を訪問。
1月10日
メンバーが避難所20か所を巡回し、必要な畳の枚数を確認。7カ所にお届けすることを決定。
松本(七尾市)、沼田畳内装(富山県)、植村畳(兵庫県)、前田(事務局)が七尾市役所を訪問。防災協定と活動について確認、避難所巡回の了承を得る。20か所の避難所をまわり、状況を確認しながら必要な畳の枚数を確認。7カ所にお届けすることに。
最後に市役所に活動の報告。
まだまだ避難所によって物資や支援に差があります。
本日より各避難所に他府県よりの担当者が付くようになったとのことですが、まだまだ人員が不足し、すぐに統率とまではいかないような状況でした。
避難所では、多くの施設が土足のままで、衛生面を気にされています。
新聞紙や段ボールに毛布を敷いて過ごされている方も多くいらっしゃいました。
畳の温もりや香りだけでなく、畳があれば必ず靴を脱いでもらえるから届けてほしいという声もありました。
他にも畳を必要とされた避難所では、「畳は有難い。新聞紙や段ボールの上に毛布を敷いているので冷たい」「足音を軽減できる(足音きしむ音の苦情が出てきた)」「島ができる」「足腰が悪いとベッドがいいが、そうでなければ畳の方が安定する」といった声も聞いています。
衛生面でベッドの方が(高さがある方が)良いという話も聞きますが、それ以前のところでお役に立てるように思います。

1月11日
メンバーが志賀町役場を訪問。避難所8カ所を巡回し、3カ所にお届けすることを決定。
10日の同メンバーで志賀町役場を訪問。防災協定と活動について確認、避難所巡回の了承を得る。避難所8カ所を巡回し、状況を確認。3カ所にお届けすることを決定。志賀町役場に報告。
*愛知県のメンバーに製作を発令。
現地で感じたこととしては、地域によるが学校開校を念頭にした施設の運営(集約・閉鎖)が始まりつつある。原発災害避難所が多く施設・備品ともに整っているため、支援物資は飲食物が多いと感じました。マットは軽くてクッション性の良いものであったり、空気が入ったもの。ベッドも段ボールではなくキャンプ用のようなものが各避難所にあった。
避難所の責任者からは、「土足の避難所が多くて衛生面が気になる。畳を玄関に1枚置いておくだけで、みんなが靴を脱いで入ってくれると思いますよ。畳に靴で上がる人はいないから」ということでした。
役場では「いろんな団体から支援の申し出があるが、電話で『必要数量と場所を言ってもらえば送ります』がほとんど。それでは依頼できない。こうして巡回してもらえるのは本当にありがたい」とのお言葉をいただく。
輪島市のメンバーより電話で状況の共有あり。輪島市役所と話をして下さっています。まだ不明者もあり避難所も自主的なものが多く混乱が続いている。10日くらいは、まとまらないのではないか。もう少ししたら畳が必要になってくるように感じるが見当がつかない状況。まだ巡回はできない。ビニールハウスを避難所のように使用している方が多くいる。ここに敷いてもらうとありがたいという声がある。避難所の把握も段階的になると思われ、当面は大きな避難所より自主避難所が続きそう。
1月13日
七尾市の避難所3か所に新しい畳を400枚お届けする。
富山県・福井県・岐阜県のメンバーが製作した新しい畳400枚をお届けする。
運送:沼田畳内装(富山県)、国枝・成瀬製畳(岐阜県)、直健畳工業所(石川県)
現地受取:直健畳工業所・内村畳店・得能製畳工業・松本(石川県)

1月14日
七尾市の避難所3か所に新しい畳を290枚お届けする。
滋賀県・京都府のメンバーが製作した新しい畳290枚をお届けする。
運送:関西畳工業(京都府)
現地受取:直健畳工業所・松本(石川県)、沼田畳内装(富山県)

1月15日
七尾市の避難所2か所に新しい畳を84枚お届けする。
新潟県・富山県のメンバーが製作した新しい畳84枚をお届けする。
運送:今井畳店・宮島畳産業・平畳店(新潟県)、沼田畳内装(富山県)
現地受取:直健畳工業所・松本(石川県)

1月18日
志賀町の避難所3か所に新しい畳を184枚お届けする。
愛知県のメンバーが製作した新しい畳184枚をお届けする。
運送:菱源畳店・乗本畳店(愛知県)
現地受取:直健畳工業所・鍋岡製畳所(石川県)

【輪島市のメンバーからの連絡】
広範囲に集落が点在しており、そのなかに把握できない自主避難所が多数できている。家の軒下、納屋、ビニールハウスに集まり、みんなで話をしながら気を晴らしている。その間の移動は普通なら10分もかからない場所なのに、行くことすらできない場所も。数百人がいる大きな避難所で支援物資を受け取り、自分たちがいる自主避難所へ運んでいる。
自衛隊の方がやっと移動できるくらいの状況の場所も多数。各所でマンホールが腰の高さくらいまで隆起、穴水を通るしかないという道路状況が、移動を遅らせてしまっている。食料飲料水は十分にあるが、やはり生活用水が止まっているのがつらい。生活用水の復旧が3月末にという話もある。飲料水が余っているとはいえ、それを使用するのはみんな気が引ける。学生は白山市に避難も。まだまだ全員とはいかない。港は4mも上がり、海だったところに歩いていけそうなくらいで、船は入れない。ヘリコプターがひっきりなしに来てくれている。大きな避難所への集約という話もあるが、まだそういう段階にはないようにも思う。1次避難にも至っていないともいえる。今の状況のままで、1.5次、2次、を飛び越えて仮設住宅に移動ということもありえる。畳があれば、という話を各所で聞く。ここに敷いてあげたいと思う。畳店としてなんとかしたいという気持ちでモヤモヤすることもある。が、今はみんなで避難所をまわることは通行所要時間的にも不可能に近い。段階的に少しずつとなるかもしれないので、集積地が必要になってくるかもしれない。まだまだ先が見えない。
1月25日
山王小学校より200枚追加の要請。メンバーが制作と同時進行で、他避難所で使われていない畳を移設できないか確認に周る。山王小学校(200枚を13日にお届け済)より追加200枚の要請。
避難所担当者より。「学校再開に向けて、明後日27日に教室にいらっしゃる避難者が体育館に移動される。それまでに畳を追加でいただくことはできないか。工夫しながらもプライバシーを比較的確保しやすい教室から、広い体育館に移動するのは環境が悪くなる。パーテーションや間仕切りもたくさん届いているが、移動される前の体育館にできるだけ畳を敷き詰め、少しでも環境を良くしてあげたい。」
*長野県・山梨県のメンバーに製作発令
製作が間に合わない分は、他の避難所にお届けしたが使われていない畳があれば移設できないか検討。松本(七尾市)が、同日下記避難所を訪問して確認。
・小丸山小学校(200枚お届け済):全て利用。同じく28日に体育館へ移動。畳を体育館で敷きたい。
・石崎小学校(45枚お届け済):今有難く使用しているのでこのまま使用したい。
・西みなとコミセン(80枚お届け済):全て利用しているが、8枚はなんとか返却可能。
・天神山小学校(100枚お届け済):避難者が当時よりかなり減ってきたので80枚は返却可能。
・矢田郷コミセン(100枚済):重宝しており逆に畳が欲しいという声がある、20~30枚くらい追加要請。
西みなとコミセン(8枚)、天神山小学校(80枚)の了承を得て、山王小学校に移設することを決定。26日に新たに製作の50枚と合わせて山王小学校にお届けする。また新たに製作の50枚を28日にお届けすることを約束。七尾市の学校は開校に向けての動きが始まっている。市内一斉というわけではないが、段階的に移動が進んでいるよう。当プロジェクトとしても、段階的な対応ができるような備えが必要と認識。

1月26日
山王小学校(七尾市)に追加で新しく制作した畳54枚、他の避難所から移設した89枚をお届けする。
引き続き山王小学校(七尾市)に新しい畳をお届けする。お届けした畳の上に、インスタントハウス(ダンボールテント)が設置される。保温性だけでなく、足音の軽減にもつながります。これまで各地の防災訓練などでも“足元だけでなく段ボールベッドの上でも“ご利用していただくようにご提案してきました。学校開校に向けた次の段階に。

1月28日
新しい畳133枚を志賀町の集積場所(鍋岡製畳所)に持ち込み、追加要望に備える。
長野県、山梨県で製作の畳133枚を志賀町の集積場所(鍋岡製畳所)に持ち込み、追加要望に備える。
堀田畳製作所(山梨集積場所)→インテック左右田(長野集積場所)→鍋岡製畳所(志賀町集積場所)
運送:インテック左右田

1月29日
矢田郷コミュニティセンターに新しい畳30枚(追加)をお届けする。
志賀町集積場所より、松本(石川県)が運搬搬入。帰路、小丸山小学校に立ち寄り状況確認。休息スペースや段ボールベッドに利用されていました。

2月1日
岩坂(輪島市)、沼田(富山県)、國枝(岐阜県)、植村(兵庫県)、前田(事務局)が 輪島市役所を訪問後、輪島市・門前町の避難所をまわる。
同日、七浦基幹集落センター(輪島市門前町)に新しい畳31枚をお届けする。発災後1カ月。 土砂崩れと倒木でギリギリ通れるだけの道の先にあった避難所。カーテンも無い割れた窓はダンボールで塞ぎ、床は薄いゴザ。「できるなら今すぐにでもほしいくらいです」という声に31枚をお届けしました。

2月1日午後 <輪島市内においての活動を停止>
各避難所を一か所ずつ巡回し今現在の避難状況を見聞きしながら避難所ごとに自由度をもって提案していくという当プロジェクトの方針と、全ての避難所で統一した仕様・運営管理を目指すD-MAT(輪島市役所)との方針が一致せず。
既に畳をお届けした避難所:今後集約をされる避難所なのでそのままに
お届けを約束した避難所(体育館のテント内に2枚ずつなど): 市役所から断りの連絡
2次避難所、仮設住宅の計画・準備も進んでいるようですが、一日も早く厳しい環境から解放されますように。
2月10日
石川県のメンバーが珠洲市を訪問。
珠洲市との防災協定が無い為、石川製畳 白坂(珠洲市)と松本(七尾市)が白坂の知人がいる避難所を個人的に訪問。各避難所では感染予防の対策も厳しくされており、可能な避難所のみ訪問した。避難所となっている飯田小学校では崖崩れで体育館が使用できず、教室が避難所に。段ボールベッドが届いたのは2月に入ってからで、それまでに畳があっても良かったという声もいただいた。多くの人が地元を離れられ人数は減ってきているが、避難所の状況はあまり変わっていない。
*写真はビニールハウスの自主避難所。石川製畳の近所だったので発災後すぐに個人的に提供したもの。
2月15日
石川県のメンバーが輪島市・志賀町の避難所を訪問。
岩坂(輪島市)・松本(七尾市)が訪問。
*畳をお届けした後も地元メンバーが避難所をまわります。より衛生的にご利用いただけるようご提案・アドバイスもさせていただいています。
【輪島市門前町】
「七浦基幹集落センター」(2月1日、畳をお届けした避難所)
避難所となっている七浦基幹集落センターは「集約され、閉鎖される」予定でしたが、昨日の通知ではここに新たに被災者が入って来られる「集約避難所」になりそうだということです。避難所としての状況は2月1日と変わっていない。お届けした畳は全て床に敷いてご利用。少しでも寒さや傷みの改善につながりますように。敷いた畳の上にはそれまで使用されていたゴザを敷かれています。「こんな青畳をそのまま使うのはもったいない」というお話をされていました。輪島市内・門前町と学校開校にむけても教室から体育館に移動(集約)を考えられているようですが、避難所ではなかなか進んでいないように聞きました。輪島市の避難所は25から11か所に集約・統合される計画とのこと。
【志賀町の避難所を訪問】(1月に畳をお届けした避難所)
「富来行政センター」
いま1枚は余っていますが、全て利用されています。段ボールベッドが硬いので上に敷くとちょうどいいです、と言われていました。
「富来小学校」
お届けした前後にコロナが流行したこと、各方面から高さを保つようにとアドバイスが届くということで、畳は未使用になっていました。段ボールベッドの上やその足元でのご利用も提案。

2月22日
畳をお届けした避難所を訪問、ご利用状況の確認。
岩坂(輪島市)・松本(七尾市)が訪問。
【山王小学校(400枚)】
教室の避難者が移動される前の体育館に全面敷きつめ。現在約80名避難。畳無くして体育館への集約は出来なかった。七尾市でも教室から体育館への移動は畳とテントやダンボールハウスが絶対条件だと話した。段ボールハウスの下も畳敷き。全員が裸足なので足音が軽減。この施設に来たD-MATのメンバーも「この設営方法はいいですね」と言われていた。
以下、いただいた声です。
・ハウス内に孤立することを防ぐために団欒場所を作っている。団欒場所の畳の上で食事・昼寝をしたりとみんなが寛いでいる。
・設営時の行き違いで黒いシートを畳の上に敷いてしまった。黒いシートは2㎜くらいのものでシワになりつまづく恐れもあり畳そのままにできればよかった。
・ハウス内には畳があるのでベッドは不要という方もたくさんいらっしゃる(布団をたたむとスペースが広くなる)
衛生上も特に気になるところはありませんでした。

【小丸山小学校(200枚)】
テントの足元や団欒場所でご利用。現在約70名避難。人数は減ってきているようです、畳のご利用状況はお届けした当時のまま。家族単位で島をつくって利用されています。スペースごとの区切りにもなっていると聞いています。団欒スペースもよく利用されているようです。衛生状態も良く保たれています。
【矢田郷コミセン(100枚+20枚追加)】
現在約120名避難。追加が欲しいとお届けしたくらい、まだまだ避難者数が減らないようです。多目的ホールと大会議室のダンボールベッドの上に畳を敷いてご利用。この施設も全面敷きならもっと良かったと個人的には思います。能登半島は断水や住む家が見つからない避難者がまだまだ沢山いて大変な状況は変わっていません。

3月13日
七尾市総合体育館に新しい畳103枚をお届けしました。
(松本・直健畳工業所・黒田産業)
16日にはフロアに畳を敷き、その上に段ボールハウスを設置されます。まずは総合体育館のローカなどに避難されている方が移動される予定。3月25日には山王小学校の400枚もここに移設し、その上に段ボールハウスを設置予定。山王小学校・小丸山小学校・和倉小学校に避難されている方がこちらに移動の予定です。山王小学校の避難所リーダー、七尾市職員、さいたま市職員さんが一緒に搬入してくださいました。
3月16日
七尾市総合体育館に畳を敷きました。敷設:松本(七尾市)
小丸山小学校・田鶴浜高校で使用されていた畳も移設し、総合体育館の畳は約200枚となりました。さらに山王小学校で使用されていた畳も移設します。山王小学校の避難所リーダー山崎様、そして市役所やボランティアの皆様にお手伝いをいただき、みんなで敷設しました。
3月21日
七尾市総合体育館に畳560枚を敷きました。
新しい畳100枚と、山王小学校、小丸山小学校、田鶴浜高校で使用されていた460枚を移設。
「ほっと松本(七尾市)(松本製畳2名(七尾市)、直健畳工業所(金沢市)、沼田畳内装(富山県)」
畳の上に段ボールハウスが次々と設置されていきます。市役所の皆さんやボランティアの皆さんにもお手伝いをいただきました。温かさ、スリッパを履かないから足音が気にならない、体育館内の声の共鳴を抑える、などを実感された方々から、これは本当にいいね!と言っていただきました。

3月27日
七尾市総合体育館を訪問。
3月25日、集約避難所としてスタートし、いくつかの避難所からこちらに移動されてきました。段ボールハウスの下、全面に畳。保温、足音・話し声の軽減、休息の目的でご利用いただきます。一日も早く皆さんが日常の生活に戻られますように。



