プロジェクトサポート企業

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001・カネカケンテック株式会社

当プロジェクトを初期から支えてくださるカネカケンテック株式会社のおふたりと、実行委員長・前田の特別対談。

《 話し手 》: 常務取締役 住環境事業部長 楢崎 次郎氏、住環境事業部 機能性建材部長 杉村 勝則氏

「長年一緒に頑張っている仲間ですから。」(楢崎氏)

前田:カネカさんにはこのプロジェクトが立ち上がった時から見守っていただいていますが、まずはご協力くださった理由を教えてください。

楢崎:普段から畳業界の方々には私共の製品を通してお世話になっています。微力ではありますが、なんらかの形でお返しできたらと思いました。
それに、今の日本は災害が多いですから、いつ自分たちの身に災害が降りかかるかなんてわかりませんよね。そのときは自分たちだけではどうにもならない。助けてもらわないといけませんからね。

前田:本当にありがとうございます。

楢崎:いえいえ。同じフィールドで長年一緒に頑張っている仲間ですから。その想いだけで、サポートすることを決めました。
ですが、近年テレビなどでみなさんの活動が取り上げられたり、協定を結ぶ地域の数もどんどん増えてきているのを拝見して、このプロジェクトもどんどん大きくなっているなと感じています。

「日本人には畳空間は清潔を保つべきという潜在意識がある。」(楢崎氏)

前田:口永良部島の噴火の時も、屋久島の避難所に畳を入れさせていただきました。
次の日に避難所へお話を聞きに伺うと、報道陣は全部シャットアウトの状況にも関わらず、「あ、畳屋さん!入って、入って!」と私が来たときは快く中に入れてくださったんです。それから、「畳のおかげで空気が変わったんです。本当にありがとうございます。畳っていいですねぇ~」と話してくださいました。
現地の子どもたちも並んでお礼を言ってくれて。畳店として、このように役に立てることは、本当にうれしいことだと感じましたね。

杉村:素敵なお話ですね。確かに、今まで硬い床や発泡スチロールの上で寝ていた状況に畳が入ることは大きな変化なのかもしれません。いぐさのにおいでリラックスもしますし。元々日本人は潜在的に、畳に安心感を持っていますから。

楢崎:昔から畳は清潔で安心できるものというイメージは変わらないですよね。それに、日本人には畳空間は清潔を保つべきという潜在意識がありますからね。

前田:ブルーシート等は汚れやすいみたいですが、畳の上はみなさん本当にキレイに使われていますよ。

楢崎:被災地の方には、きれいな畳の上で少しでもリラックスしてもらえたらいいですよね。

前田:あと、北関東豪雨災害時、避難所に畳を設置していいかを現地の市役所まで確認に伺ったんです。よそ者の僕一人で確認に行くと怪しまれて断られることが多いんですけど、常総市では地元の畳店さんが一緒だったので、畳設置の許可がすぐ下りたんです。やっぱり地元の方に認知されている畳店さんとが動くと、ロスなく畳をお届けできるんで。

杉村:なるほど。やっぱり全国各地の畳店が動くことが大切なんですね。

前田:おかげで、避難所に 畳ほどの畳スペースを作ることができました。夜は夜泣きの赤ちゃんを持つお母さん方のためのスペースとして、昼間は多目的スペースとして利用していただきまして。そこでも、「やっぱり畳っていいな」という言葉を多く聞くことができました。

楢崎:うちの会社にとって、畳を使われる一般の方々は、実は一番近くに感じる存在なんです。建物の建設時にも私共の製品は使われますが、自社製品のクオリティを向上したことが、お客さんの反応として一番伝わりやすいのが畳なんです。だから「やっぱり畳っていいな」という言葉は私共もうれしいですね。

前田:自治体の方々は畳って重くて運びづらいイメージがあるみたいなんです。でも、今の畳は中の芯材がよくなったおかげで軽いんですよね。防災訓練の際、一般の方に畳を運んでいただくと「こんな軽くてしっかりした畳があるんだ」と驚かれます。今一般のお宅にある畳は、この仕様が主流になってきていますからね。

「事前に作る各所との繋がりが大切なんです」(前田)

前田:これからはもっともっと、垣根を超えた繋がりを作っていきたいと考えています。災害が起こってから連携を始めるのでは間に合わない。事前に作る各所との繋がりが大切なんです。事前に連携をとって畳を届けるまでの約束をしておくと、スムーズに迷うことなくお届けすることができますから。

楢崎:プロジェクトのみなさんには、本当に無理をせず息切れしないよう長く続けてほしいです。できることとできないことは、関係者それぞれにあるかと思います。それぞれのペースでサポートを行い、少しずつ前進していってほしいですね。ひとつひとつが小さなチカラだとしても、ある程度束になると大きなチカラになりますから。ほんとに地道に無理せずやっていってください。

前田:そう言っていただいて心強いです。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

(対談:2015年10月)

▲左からプロジェクト事務局長前田、楢崎次郎氏、杉村勝則氏。カネカケンテック株式会社大阪支社にて。

カネカケンテック株式会社

断熱材及びその複合製品を中心に建設用の資材を取り扱う。畳においては中の芯材の製作を行っている。
HP:http://www.kktc.jp/