ボロボロになって帰ってくる親父を見るのがたまらなく好きでした。

47都道府県, 東京

ボロボロになって帰ってくる親父を見るのが
たまらなく好きでした。

江戸の下町界隈では、祭りがとにかく盛んで、もう生まれたときからDNAに入ってるんですよね。
角ばった棒とか丸太とか見ると肩入れたくなりますからね(笑)

地元の祭りは「鳥越の夜祭」で有名な都内屈指の重さ、「千貫神輿」に細提灯。
ロウソクに本物の火を入れて、遠くから見るとゆらゆらと灯る姿は幻想的です。

祭りの本当の意味を知ったのは、自分が祭禮の役員になった時。
氏子町会を御霊の入った神輿を元気に担ぐことで町の汚れをはらい、清めてくれる。
そう私は教えられました。

ただ担ぐことを目的にはしゃいでいた若いころ。
今では祭りの意味をかみしめながら祭りに向き合ってます。
準備も含めると丸四日間、全力で向き合います。
日曜日の夜遅く、ボロボロになって帰ってくる親父にいつも「ありがとうございました」って言っていたんですよね。町のために働く姿を子供ながらに感覚で感謝していたんだと思います。
今じゃ、私もその立場。あの頃と今も昔も変わらない。
「ありがとうございました」が続いています。

(株式会社 金井畳店 金井功)